2013年のカーオーディオ&カーナビを総括 その2

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2013年のカーナビを振り返ると、わりとエポックメイキングなモデルが多かったような気がする。まず1月にはケンウッドの彩速ナビがフルモデルチェンジ。フリックやドラッグ、ピンチイン、ピンチアウトなど、スマートフォン感覚の操作を身につけた。



そんなカーナビは、それ以前にもあったが、彩速ナビはOSをAndroidに変え、操作レスポンスもスマホ並みの快適さ。インパネに7インチのタブレットを組み込んだようにスムースに操作できる。スマートフォン連携機能も充実。スマートループ交通情報を取得できるのでVICSより詳しいリアルタイムの渋滞情報がわかるし、周辺のガソリンスタンドを価格情報付きで検索できたりもする。操作性とナビ性能の総合力では、トップレベルと言える。
ケンウッド彩速ナビ2013年モデルはOSにAndroidを採用
イクリプスとクラリオンのニューモデルが採用した音声検索機能も新機軸だ。音声認識を使い、声で検索できるカーナビはこれまでもあったが、イクリプスとクラリオンの音声検索はクラウド型というのが新しい。スマートフォンの通信を利用し、クラウドにある音声認識エンジンと検索データで検索を行うのだ。クラウド上の高性能なコンピュータを使うから認識率は抜群に高いし、検索データも古くならないのが、従来のローカル型の音声認識とは異なる部分である。
イクリプスZシリーズは対話型エージェントにより音声検索ができる
イクリプスは対話型エージェントによって目的地設定まで音声でできるようにしているのに対し、クラリオンは音声とタッチパネルによる操作を混在させるという具合に、両者のコンセプトは異なっているが、車内での操作の安全性という意味では音声操作がベスト。一旦、採用機が減ってきた音声操作のカーナビだが、クラウド型音声認識によってまた息を吹き返すに違いない。

ところで、昨年登場したDIATONE SOUND.NAVIは「高音質」がカーナビの大きなセールスポイントになることを証明した。AV機能と一体型のカーナビは音楽を聴いたり映像を楽しむといったAV機器でもあるわけで、カーナビの案内機能を使っている時間よりもむしろ、AV機器として使っている時間のほうが断然長い。ならば、カーナビ機能よりもオーディオ部分の性能を重視したいという人がいても、まったく不思議ではないし、そんなニーズにぴったりハマったのがDIATONE SOUND.NAVIだったのだ。
音が良いナビの地位を確立したダイヤトーンは2013年モデルでさらに進化
そのDIATONE SOUND.NAVIだが、今年も音質を向上。マイナーチェンジではあるが、音質に関してはフルチェンジといってもいいほど、性能がアップしている。またアルパインのビッグXは、プリアウトがないため、外部パワーアンプを追加するなどのシステムアップには適さないが、内蔵アンプの性能が良く、手軽に良い音で音楽が楽しめる。そんな観点で、カーナビを選ぶ手もありだ。

カロッツェリアとパナソニックは、安心感がる。カロッツェリアの場合、スマートループ交通情報を基軸とし、探索ルートのクオリティの高さではピカイチ。自車位置の測位精度も圧倒的で、道案内役としては一級品だ。パナソニックはツートップメニューの操作のわかりやすさ、スマホ風のタッチパネル操作、スマホ連携機能、音の匠モード等の音質面と、機能をまんべんなく網羅していて、そつがない。

カーナビなんて、どれも同じだから純正で十分という人もいるが、2013年は個性的なカーナビが出そろった印象。ただし、クルマ側が変化していて、2DIN機の装着ができないクルマがどんどん増えている。今後、カーナビメーカーは、そのあたりにどのように対応していくのかが課題になるのではないか。