モノラル1台120万円! オーディオウェーブを聴いた

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今月の初旬、オートサウンドWebの2013年グランプリ製品を決めるための選考試聴があり、久々に対象製品の一気聴きを行ったのだが、そのなかにオーディオ・ウェーブのパワーアンプ、CR-200Xがあった。


モノラルアンプで、1台120万円(税別)!ステレオ再生には最低でも2台必要だから、消費税が上がる4月前に手に入れたとしても、250万円は超える。ホームオーディオならざらにある値段だが、1台で軽自動車、2台ならプリウスあたりも視野に入る金額である。かつてプレシジョンパワーにF1(たしか250万円だったと思う)というパワーアンプがあったが、歴代でも最高額クラスのパワーアンプである。
オーディオウェーブCR-200Xは4Ω時200W×1のモノラルアンプ
果たして、その音は? 金額も大きさも重さも無視して純粋に音だけでいうなら、文句無しに「いい!」。並のパワーアンプでは、音が鳴っていただけのスピーカーも、このアンプに変えたとたんに血が通ったように、生き生きとしてくる。それも、身体を鍛え上げたアスリートの、身体のすみずみの毛細血管まで血が通った感じ。ちょっと抽象的だが、音楽に生命力が宿っている。カーオーディオの試聴で、これだけゾクゾク、ワクワクした感覚は久しぶり。パワーアンプでいうなら、オーディソンのVenti以来か。
このように配線は裏から。
でも、クルマに積むとなると考えてしまう。サイズが幅558×奥行270×高さ72mmだから、2台積めばトランクのフロアは埋まってしまう。しかもRCAの端子が裏から差し込む方式だから、実際に設置するにはもっと高さが必要。重さも1台あたり約12キロ。1キロあたり約10万円だ。

ということを考えると、1台のクルマで通勤から買い物、家族旅行など、すべてのことをまかなう庶民には、残念ながらほとんど無理。クルマが重くなると、ハンドリングが悪化するから運転そのものが好きな人には厳しいし、燃費にも大きく影響するしね。この音で、もっと軽量&コンパクトなら文句なしなのだが…。という意味では、古き良きオールドスタイルのカーオーディオという印象。10年ほど前なら、手放しで絶賛していただろうけど、クルマ自体がハイブリッド→電気自動車へと移行しつつある今、ちょっと考えさせられるものがあります。

けっきょく、お金が有り余っていて、クルマを何台も所有していて、そのなかに音楽を聴くためのクルマもある人向け、またはコンペティション用ということですかね。いずれにせよ、富裕層向けであることには、間違いありません。ただし、音は抜群にいい。それは強調しておきます。宝くじが当たったら、僕も間違いなく買うでしょう(笑)

さて、このパワーアンプを含む多数の製品がエントリーしたオートサウンドWebグランプリ2013は、遅くとも2月28日までには公開予定とのこと。興味がある方は、Auto Sund Webをチェックしてみてください。