大阪オートメッセ2016へ行ってきました

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2月12〜14日にポートメッセ大阪で行われた大阪オートメッセ2016へ行ってきました。

「いい歳こいてカスタムカーのイベント?」と言われそうだが、大阪オートメッセは数あるカスタムカー・イベントの中でもカーAV関連の出展が多いんです。だから、行かないわけにはいきません。今年もオーディオテクニカ、クラリオン、ビーウィズ、三菱電機(ダイヤトーン)といったメーカー、エムズライン(ブラックス/ヘリックス、イートンなど)、フェリースソニード(DLS)、明宝自動車(モレル/アークオーディオ)といったインポーター、AVカンサイ、オートステーションK2、カーオーディオクラブ、ジバングほかショップが多数参加。試聴可能なオーディオ・デモカーは20台以上あったんじゃないですかね。けっして、おネエちゃんの写真を撮りに行ったわけではありませんのであしからず。

では、試聴したクルマ(全部じゃないが)の感想を。まず、クラリオン。東京オートサロンでデモカー試聴を行い、約9割が「音に満足」というアンケート結果を得たフルデジタルサウンド(FDS)の関西初お目見えだっただけに、これを目当てに来たお客も多かった模様。会場オープン直後、真っ先にクラリオン・ブースをめがけてきたお客も何人かいたようです。で、いきなりゴメンナサイだが、クラリオンのデモカーは、オートメッセの会場では試聴していません…。でもオートサロンの会場で試聴済みだから大丈夫。BRZの音は本当に良かった。デジタル音源を一度もアナログに戻さず、デジタル信号でスピーカーを駆動する音は密度が高くなめらか、かつキレがあります。音場感も見事。場の空気感も含めて音場を立体的に再現してくれるので、ライヴ音源はライヴ会場にいる感じに浸れます。

ただオートメッセの直前に、オートサロン時の調整パラメーターが飛んじゃったようなんですね。だからオートメッセでは急遽、その場で調整した状態での試聴。だから、もしかしたら本来のパフォーマンスを発揮できていなかったかもしれない。未確認ですが。でも、調整と取り付けがきちんとできていれば、良い音で音楽を楽しめることは間違いなし。しかも省エネ。純正システムの交換が難しいHV車やEVなんかには、最適といえるでしょうね。

続いてビーウィズ。世界限定50組(国内20組)、サウンドチューニング込みでなんと600万円!の「Royal Ensemble II」のデモカーがありました。これについては、何も申しません。だって、僕がどうあがいても手に入れられる金額じゃないから。お金持ちに任せます。その隣にあったフォーカルのデモカーもそう。200万円のスピーカーにDACやらアンプやらを加えると総額約600万円。Royal Ensemble IIとほぼ同額のシステムです。

もちろん、どちらのクルマも音はいいです。なにせ600万円ですから。要は、この音に600万円の価値を見出せるかと、資金力にかかっています。僕は資金力で脱落です。その点を考えずに、どっちの音が好き?と言われたら、個人的にはフォーカルでしょうか。

ダイヤトーンのデモカーは、これまでもさんざん聴いているし、MZ100シリーズの音の良さもわかっているので、シビックだけを試聴しました。正直なところ、これはちょっと「んっ?」な出来でした。もちろん悪くはありません。音に雑味がないクリアで高解像度な音は、初めて聴くと「素晴らしい」と感じる人が多かったと思います。でも、本来の実力はこんなもんじゃないんです。

聞くと、オートメッセの直前に、ドアのデッドニングを全面的にやり直し、アスファルト系の素材でガチガチに固めたとこのこと。なるほど、それでエネルギーが伝わってこない感じなのか、と納得。何事も、やりすぎは禁物です。とはいえ、現在売られているヘッドユニットの中で、もっとも音が良いもののひとつであることは僕が保証します。デモカーの上に「安心してください。いい音ですよ。」のポップが飾ってありましたが、その文言に偽りなしです。

エムズラインはヘリックスDSP PROを搭載し、ハイレゾ音源も聴けるスバルWRXがデモカーです。乗り込むと新車の匂いが室内に漂っていたことからもわかるように、取り付けたばっかりだったんでしょうね。全体的に音が硬いし、スピーカーがまだ動き切っていなくて、音のヌケがあまり良くない感じ。それでも、まとまった聴きやすい音だったんですが、エージングが済んで調整ができたらこんなもんじゃないだろうなぁという感じです。

その証拠に、同じくヘリックスDSP PROを使った(スピーカーは異なるが)AVカンサイのデモカー、BMWは素晴らしかった。僕がこれまで試聴してきたオーディオカーの中でも1、2を争うような音の良さ。いや、マジで。もし会場にいて、このデモカーの音を聴き逃した人がいたら、もったいないことしたなぁと、心底思います。

何がいいかって、カーオーディオ特有の違和感が、このクルマの音にはまったくありません。例えば低音。いくらタイムアライメントで調整したところで、ベースの輪郭が曖昧だったり、ローエンドだけは後ろから聴こえてきたりというクルマはありがちですが、このクルマはローエンドまできっちり前から聴こえていました。しかもベースの音像がはっきりとした輪郭を伴って、ダッシュボードのあたりにいます。まるで良質なオームオーディオを聴いているような自然な音場。久々に「このクルマなら欲しい!」と思いました。

ショップのデモカーで試聴できたのは、あとジバングのアルファード。これも良かったです。クルマが大きく、その分、各スピーカーの装着位置が離れてしまうため、サブウーファーとのつながりだけは、やや違和感を感じることもありましたが、そこを除けばもうしぶんなし。DIATONE SOUND.NAVI、MZ100シリーズをヘッドユニットに使った比較的ライトなシステムで、こんなに良い音で音楽が楽しめるのなら、満足度は高いと思います。

他に試聴したのは明宝自動車の新型プリウス。これには、超薄型ウーファーが特徴のモレルVIRTUS NANOシリーズに新たに加わった3ウェイシステム、VIRTUS NANO603(162,000円)が搭載されていました。これまであった2ウェイシステムに、88mmミッドレンジが加わることで中域の厚みが増し、高域の質感とヌケも高まっている感じです。個人的には、低域の鳴り方が好みじゃありませんが、ヴォーカルものを中心に聴く人にはいいかと思います。

次、フェリースソニードのプジョー。これにはDLSのスピーカーとシンフォニ・クアトロリゴのアンプが付いていました。試聴前は暑苦しい重々しい音を想像していたんですが、予想に反してなんと爽やかで明るい音だこと。好き嫌いははっきり分かれましょうが、これはこれでアリだと思います。

ここまでが、オーディオメーカー&インポーター&ショップが集合している6B号館の聴き歩き。オーディオテクニカとソニックデザインは、すっかり見落としてます。ゴメンナサイ。それとは別に2号館にもカーオーディオクラブを中心とした数店舗がデモカーを展示していましたが、こちらは見せることがメインのカスタムカーだったので、僕の管轄外。さすがに、この年ではついていけません(笑)。が、これもカーオーディオの一部ではあるので、がんばって欲しいものです。ただし、いくら人目を惹くと言っても、音に悪影響を与えるインストールだけは、極力避けてもらいたいもので。