久々のサウンドクリニックで富山へ行ってきた

ラベル: ,
3月5〜6日の2日間、スーパーオートバックス富山南で「音BACSカーオーディオ・サウンドクリニック」を行ってきた。

初心者からマニアまでクリニックに訪れる人は千差万別

音BACSカーオーディオ・サウンドクリニックはオートバックスとDIATONE(三菱電機)、アルファの協力のもと行われる、カーオーディオ(ナビ)に関する、いわばなんでも相談室的なものだ。同時に、会場にはデモカーが複数(今回はダイヤトーン3台、アルファ1台、お店2台の計6台)用意され自由に試聴できるため、とくに相談がなくても、デモカーの試聴はできる。

振り返れば、初めてサウンドクリニックを行ったのは2014年5月。スーパーオートバックスみなとみらいを皮切りに、仙台、札幌、京都伏見、川崎など全国7〜8カ所で行ってきた。回数はそれほど多くないが、毎回、多くのお客さんが訪れてくれる。平均すると、1日20〜30人というところか。こんなに多くの人がカーオーディオで悩んでいるのかと驚くと同時に、頼りにしてくれる人がいるというのは、なんとなくうれしいものだ。

来場者のシステム構成や相談内容は、まちまち。いま純正オーディオなんだけど、もっと良い音で音楽を聴くにはどうすればいいかという初歩的な相談から、取り付けを自分で行っているが調整がいまいちわからないのでアドバイスが欲しいといった相談まで、幅が広い。

そんな中で気付いたのは、音の良し悪しを自分で判断できない人が、ものすごく多いことだ。今回も、DIATONE SOUND.NAVIを装着して、すごくいい音で鳴っているのに「音がいいのか悪いのかわからないので、ちょっと聴いてみて欲しい」という人が何人かいた。要するに、良い音の基準がないということだ。

デモカーを複数用意しているのは、そんな人たちに良い音の基準を知ってもらおうとの思いもある。今回、DIATONEが用意したのは、カーナビをDIATONE SOUND.NAVI NR-MZ100に変えただけで、スピーカーは純正のままのクルマ、スピーカーをDS-G20に交換したクルマ、スピーカーをDS-G500に替え、さらにサブウーファーのSW-G50を加えたクルマの3台。いいスピーカーを使えば音が良いのは当たり前、と思っている人にも、NR-MZ100+純正スピーカーの音は衝撃だったようで「純正スピーカーなのに、ナビを変えただけでこんなに音が良いのか」と驚いている人が多かったようだ。
カーナビをNR-MZ100に替えただけのインプレッサは概ね好評
さて、良い音の基準がいまいちわからない人が相談に来た時は、まずは音に関して不満があるかどうかを聞くようにしている。特に不満がないという答えなら、それでOK。音の良し悪しには絶対的な基準はなく、個人的な感覚に左右されるものなので、根本的な問題がなければ、それでいいと思う。あまり難しく考えなくていい。ただし「個人的には」と前置きした上で、音楽をもっと楽しく聴けるようなアドバイスはするように心がけている。

逆に、音に関して具体的な不満がある人は、取り付けかデッドニング等の作業か調整に問題がある人が多い。その場合は、問題点を探り対処法をアドバイスするようにしている。今回も、自作の人でおそらくデッドニングを失敗したのか全体的に音がヌケず詰まった感じに聴こえる人もいたし、せっかくDIATONE SOUND,NAVIを取り付けているのにもかかわらず調整をまったく行っておらず、残念な音の人もいた。基本的にクリニックはアドバイスのみで調整は行わないスタンスなので、そんな人には調整の手順をアドバイスするようにしている。

来場者には自作の人も多いのだが、レベルはまちまち。専門店のデモカーでも、なかなかかなわないようなレベルの音を出しているクルマもあれば、調整をつめていけば、見違える音になりそうなのにちょっと残念という人も多い。

手前味噌な話になるが、インストールも調整も自分で行っているクルマで、きちんと調整できているなと感じたものの中に、僕が7年ほど前に書いた「パーフェクトセオリーブック2 サウンドチューニングマスター」を読んで、付属CDを使って調整したとおっしゃる方が多かった。今回も3人ほど。役に立っていて、涙が出るほど嬉しかったです。はい。

調整は、わけがわからないまま行うととんでもない音になる可能性が高いが、基本を覚えると、それほど難しいものでもない。もちろん、音を突き詰めていくとしたら、経験とノウハウが必要だが、基本線から外れていない調整なら、コツさえ知れば簡単とは言わないまでも、難しいことはない。調整方法がわからず放置している人や、ノウハウを知らないまま、やみくもに調整している人は、くどいようだが「パーフェクトセオリーブック2 サウンドチューニングマスター」を入手して調整してみることをお勧めしたい。出版社に確認したら、あと在庫は600部程度とのことだ。あとは音楽を聴きこむことだ。音楽をいっぱい聴いている人ほど、出ている音が変じゃないかの判断が容易にでき、調整もうまくできる確率が高い。


ヘッドホン&イヤホンで音楽を楽しむ人が増えた今、スピーカーから出た音を体で感じて音楽を聴く環境といえば、ライヴかクルマの中かという状況だ。しかし、空気の振動を体に浴びて聴く音楽は、ヘッドホンとは違う楽しさがある。クルマを持っていれば、そんないまや貴重な体験ができる環境にあるのだから、できる範囲で良い音で楽しんでもらいたいものだ。

オーディソンBit Play HDとDIATONE SOUND.NAVIは相性良し

話は変わって、今回は間に合わなかったが、今後のサウンドクリニックの備えてアルファが用意したデモカーを紹介したい。ヘッドユニットにはDIATONE SOUND.NAVI NR-MZ100PREMIを使い、その内蔵アンプでハーツの最新スピーカー、MILLE PROを鳴らしていたのだが、注目したいのはオーディソンのBit Play HD。これは音楽から動画、ハイレゾファイルまで、さまざまな音楽&映像ファイルを再生できる車載プレーヤー。DIATONE SOUND.NAVIとはHDMIで接続できるため、操作はタッチパネルではなくリモコンでという点を除けば、使い勝手が良い。Wi-Fiのドングルも付属しているので、スマートフォン内の音楽をWi-Fi経由でワイヤレスで楽しむこともできる。
DIATONE SOUND.NAVIとBit Play FDはHDMIで接続
一般的には、Bit Play HDのUSBポートに、楽曲を保存したUSBメモリーを差し込んで使うが、128GBのSSDを内蔵したモデルも用意されており、これなら大量の楽曲を車内に置いておける。もう車内にCDを持ち込む人はだいぶ減っていると思うが、DIATONE SOUND.NAVIとBit Play HDの組み合わせなら、もう車内でCDを聴くことはなくなると思う。かつて、CDを連続演奏できるCDチェンジャーをみんなが持っている時代があったが、このオーディソンBit Play HDは現代版のCDチェンジャーというかミュージックバンクのようなもの。DIATONE SOUND.NAVIのパートナーとして活用したい。

ところで、Bit Play HDは耐熱性だとか耐振性、設置性、電源部などを車載基準で作っているので、どうしても値段は高くなるが、もっとお手軽に楽しめるものはないかと思ったら、こんなのもある。プリンストンのハイレゾ対応ネットワークメディアプレーヤー。車載用ではないので、真夏の車内に置いておいて不具合が起きないかなど不確実な点も多いが、いちおうオプションでシガーソケット用電源も用意されており、車内で簡単に使える。HDMIも装備しているので、DIATONE SOUND.NAVIとの接続もバッチリだ。安心感なら断然オーディソンBit Play HDだが、安さでこちらにチャレンジしてみるという手もアリだ。

クラブ・ダイヤトーン
アルファ