気をつけたい。クラリオン・フルデジタルサウンドの落とし穴

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千葉の某ショップでクラリオン・フルデジタルサウンドを搭載したデモカーが完成したという話を聞きつけ、さっそく試聴しに行ってみた。

デモカーのシステムはフルデジタルサウンド・プロセッサーZ3&フルデジタルサウンド・スピーカーZ7にキッカーのパワードサブウーファー、HS8を組み合わせた構成。フルデジタルとアナログのハイブリッド・システムである。フルデジタルサウンド・プロセッサーはアナログのラインアウトを1系統持っているので、すべてフルデジタルサウンドで構成しなければいけないわけではなく、従来型のパワードサブウーファーやアナログアンプ+サブウーファーをシステム化する余地は残されている。
クラリオンFull Digital Soundのプロセッサー部はラゲッジルームへ
その音はフルデジタルサウンドらしいクリーンさ。音の立ち上がりが鋭く、メリハリのあるクリアな音だ。音像の輪郭がはっきりしているし音場感もいい。フロントスピーカーとサブウーファーとの音のつながりも良好で、キッカーらしいエネルギーのある低音のおかげか、音楽全体が力強い。
トゥイーターはAピラーヘインストールしている
これは、通常の音量で聴いていた時の印象。ところが、気持ち良い音なのでつい音量を上げていくと、トゥイーターが発するノイズが気になってくる。音楽に混じってかすかに「カサカサッ」という聴きなれない音がトゥイーターから聴こえてくるのだ。

気になったのでお店に聞いてみると、

「トゥイーターのケーブルを延長したのがまずかったですかね」

との答え。フルデジタルサウンドのトゥイーターには2.2mのケーブルがあらかじめくっついていて、プロセッサーに簡単に接続できるようになっている。ところが、このデモカーはもともとラゲッジルームに付いていた他社のプロセッサーを外してフルデジタルサウンドに入れ替えたため、付属のケーブルでは届かない。苦肉の策として、トゥイーターのケーブルを延長したのだ。

トゥイーターのケーブルを延長することで、そのような現象が起こり得るのか。クラリオンにも聞いてみたところ、

「フルデジタルスピーカーのZ7はスピーカーの裏に駆動回路を内蔵しているのでケーブルの長さは影響しませんが、トゥイーターの駆動回路はプロセッサー側にあります。Z3をプロセッサーとトゥイーターのセットにしたのもそのためです。その駆動回路とスピーカーまでの距離が長くなると、ノイズが出てきます。付属ケーブルはノイズが絶対に出ないことをクラリオンが保証できる長さということで決めています」

つまり、現時点ではトゥイーターのケーブル延長はご法度ということだ。ミニバン等、背の高いクルマだと、助手席下から運転席側ピラーまで2.2mでは届かないケースも出てきそうだが、そんな時なコンソールパネルの裏に空きスペースを見つけて装着する。けっして取り付けるといい。くれぐれも「せっかく買ったプロセッサーを見せびらかせたいから、トゥイーターのケーブルを延長してでも、ラゲッジルームなど見える場所に取り付けたい」なんて考えないように。

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